寒い日が続きますね。1月の大雪では、被害に遭われた方もいらっしゃるかと思います。
館山・南房総では、房総と言っても違いがあり、嶺岡山系より南では雨、北では雪が降りました。
まだまだ寒い日が続きそうですので、体調に気を付けて下さいね。
さて、寒さに負けず、1月のお散歩ツアー「高鶴山と金杖の滝」を開催しましたので報告です。
高鶴山は、鴨川市曽呂の畑地区にあります。千葉県では数少ない独立峰で標高は326mになり、
「高鶴」という名は、「湿った土地・美しい流水」を意味する古代語だそうです。
畑地区は昔、「星が畑」という地名だったそうです。
集合場所の東善寺から山道を登って行きます。こちらの山道は、地元の有志の方々で整備をしていて、
登りやすくなっていました。約1024mを登っていきます。距離的には、短いのですが、けっこう
な坂道です。写真も撮らず黙々と登って行くと、古峯ヶ原神社分岐に辿り着きます。ここで少し休憩
をして、まずは、高鶴山へと向かいます。
あと約500mです。この看板があると先が分かるのでがんばれます。
途中に、炭竃のあとがあります。
ここで、炭を作っていたんですね。私の横着な考え方だと、切り出した生の木を下まで運んで行くの
は重くて大変。伐り出した木を、中腹で、炭にすれば、少し軽くなって麓まで運びやすくなりるから・・
と考えてしまいます。本当はどうだったんでしょうね。
炭竃から少し行くと馬頭観音があります。
この山の道を馬が通っていたという事が分かります。
頂上近くは、少し急な登りになっています。
ここを登ると頂上になります。
山頂には、石尊様が祀られています。
石尊権現を安置したのは寛政5年のことです。神宮寺の檀家の彦兵衛という者が山で「異石奇木」
手に入れたところ、瑞祥が多く現れました。そこで、その石を石尊神、木を大天狗子天狗として
お祀りすることにしたそうです。
お参りして少しのぞかせていただくと、2体の天狗の面と笛等が祀られていました。
頂上からの景色は・・・
こんな感じです。地元の方は、ここから初日の出を見るそうです。
ここで、少し「星ケ池」というこの地域に残る民話のお話しを・・・
むかしむかし、高鶴山に若い神さまが住んでいました。神さまはとても心優しく、村の人々に慕わ
られていました。高鶴山の真上にはいつも夜になると、ひときわ綺麗な星がひとつ輝いていました。
神さまは毎晩、この星をいつまでもうっとりと眺めているのでした。1年・2年がたち、神さまは
とうとうこの星に恋をうちあけ、ふたりは結ばれました。星のお父さんはお日さま、お母さんはお
月さまでした。神さまとお星さまは毎日仲良く暮らしていましたが、ある年の夏、日照り続きで、
田んぼや畑がカラカラに乾き、稲も野菜も黄ばんでしまいました。村人は毎日毎晩太鼓を打ち鳴ら
し雨乞いをしたのですが、雲はひとかけらも出ませんでした。神さまとお星さまは心配していまし
た。ところが、いつもは谷川で水浴びをして美しく輝いているお星さまが、水がなくなってだんだん
と光が弱ってきてしまったのです。困ったお星さまは、お母さんであるお月さまに、「お願いです。
どうか天の川の水を高鶴山に降らせて下さい。」とお願いしました。天の川には、空の大切な水が
流れていました。かわいい娘の願いにお月さまは、天の川の水を高鶴山に降らせてあげました。
おかげで、稲も野菜も生き返り、村人たちは涙を流して喜びあいました。星ケ池は、その時にお月
さまからわけてもらった天の川の水をためてできた池だそうです。(鴨川のむかし話より)
とても素敵なお話しです。きっとここでは、夜は星が綺麗に見える場所なんですね。
来た道を下って、分岐点のところから古峯ヶ原神社へと向かいます。
鳥居をくぐり、少し上ると石宮があります。
何の神様かというと、1つが海難除けだそうです。昔は、漁師さんが高鶴山を目印にしていたそうで、
沖からは良く見えるそうです。今は、GPSがあるので山も目印にしなくなってるみたいです。
あとは、火災除けになります。昔は、地域の方が「古峯ヶ原詣り」っと言ってみんなお参りに来ていた
そうです。
古峯ヶ神社をあとにして、洲貝川の源流に沿って下っていきます。
そこから、少し行くと堀の沢三段の滝があります。
杉の木が邪魔してなかなかうまく撮れませんが、杉の奥に三段の滝があります。水量が少ない
ので迫力はありませんが・・・
ここまでくるとあと少しで県道に出ます。この県道が道幅が狭いので、車に気を付けながら歩きます。
次は、金杖の滝へ向いますが、途中お不動様が祀られています。
金杖の滝です。
こちらも杉が邪魔して見え辛いのですが・・・
金杖滝は別名を金月の滝、字をとって山口の滝とも言われています。畑のせきから流れおちるのが
この滝で、滝の高さは20m、幅は5mほどです。滝は洲貝川になって鴨川市江見で大平洋へと注
ぎます。この時期は、水量があまりないので、やはり迫力がありません。
あとは、出発地点へ東善寺へ。
曹洞宗の寺院で、本尊は毘沙門天。寛文2年(1662)に観峯春悦和尚が建立したといいます。
お散歩ツアーは無事に終了しました。今回も地元の有志の方たちが整備をしていただいているので
安全に登れましたが、けっこう房総の山は、整備されていない所もあります。くれぐれも山へ登る
時には、気を付けて下さい。あと、きちんとマナーを守って下さい。この時期は、乾燥しています
ので、火気厳禁でお願いします。