新年度月イチツアー「加茂坂から沓見の郷へ」報告

新年度になりました。平成28年度は、すべての企画合わせて23本の開催します。
今年度は、イベントツアー・シリーズツアーをなくして、お散歩ツアーを増やしてみ
ました。お散歩ツアーは、体力には自信がなくなってしまったけど、健康の為に歩か
なくちゃいけない人や、なかなか外に出て歩く機会のない方などに、これをきっかけ
に外に出てもらおうと思って企画しています。是非、皆さまのご参加お待ちしており
ます。
ちなみに・・・ウォーキングツアー予定表は、道の駅などに置かせてもらってます。

さて、今年度一発目は、「加茂坂から沓見の郷へ」を開催しました。加茂坂は、
昨年、一昨年と加茂坂を歩いていて、今回で3回目の加茂坂です。

集合は、南房総市の加茂神社。お天気を心配しながら、出発します。
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まずは、弘法伝説のある井戸へ。
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次に向かうは、円鏡寺。
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真言宗のお寺で本尊は如意輪観音菩薩。山号が、春延山・東覚山・東光山と三回も
かわっているお寺さんです。安房国八十八カ所霊場の内76番霊場です。

本堂の脇には、立派なミツバツツジが咲いていました。
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このミツバツツジは、関東地方から近畿地方東部の太平洋側に分布し、主にやせた
尾根や岩場、里山の雑木林などに生息します。古くから庭木としても植えられてい
ますが、盗掘の影響もあるせいか野生の個体数は決して多くないそうです。
ミツバツツジは、4~5月頃に咲く紅紫色の花が美しい。花が終わってから葉が出
てきます。枝先に三枚の葉がつくことからこの名がついたそうです。

いよいよ加茂坂へ。入口?には、地蔵尊や馬頭観音、題目塔があります。
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このお地蔵さんは、顔が岩に押しつぶされてしまっているみたいです。
題目塔は、近くに日運寺がある為、日蓮宗のお題目「南無妙法蓮華経」と書かれて
います。

少し歩くと鎌田台分岐点があります。
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ここは、昔、稲村城や館山湾の眺望がとてもよかったそうです。里見氏の時代「天文
の内乱」のとき、ここで稲村城方の兵が守備をしてたという伝承がある場所です。

さて、古道に突入します。
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途中、戦時中に掘られた穴があります。
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ちょっと、よそっぽ見てらた、落ちちゃいそうです。

落葉の道をずっと歩いていくと、舗装された道にでます。舗装された道の脇に子安
地蔵があります。
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次に、沓見大塚山へ。
標高約100m。山頂には沓見山三講の「浅間様」と左に「リョウゴ様」、右に「山
神様」があります。
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「リョウゴ様」は竜宮様が訛ったもので、雨乞いの竜神を祀ったものと思われます。
入口右手に明治17年の手水鉢があり、水向けが瓢箪の形になっていて、珍しいものです。
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裏手には金毘羅宮もあります。
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山を下りて、迎接寺(こうしょうじ)へ向かいますが、途中、地蔵尊や牛頭観音、
三山碑、大日様などがあります。
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迎接寺は、天台宗の寺院で、大光山蓮臺院迎接寺といいます。
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本尊は、阿弥陀如来・勢至菩薩。寺伝によると、その昔、沓見村根方にあって、
天沼山蓮光院光照寺と称し、仁寿2年(852)大阿闍梨顕秀法印の開基といいます。
建保2年(1214)鎌倉幕府源実朝が軍用人夫を課してきましたが、応じることがで
きなかったため、わずか5畝を残し、寺領を没収されていまいました。それから
約450年間、廃寺同様荒れ果てた状態でしたが、享保17年(1732)、賢秀法印
の時中興し現在に至ります。しかし、なぜか本尊が勧請されていなく、たまたま
白子の浜辺に打ち上げられた仏像を本尊に迎え安置したと伝えられています。

その本尊は、寺領を没収された時、本尊と仁王は丸山川にすてられてしまいました
が、年月が経ち、本尊は白子浦に流れ着き、漁師に拾われ後、迎接寺の本尊として
迎えらました。仁王は石堂寺に移されたという伝説があります。

こちらで、昼食休憩です。その後、迎接寺の境内にある秘密の場所へと向かいます。
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嘉永元年(1848)の三十三体供養塔・胎内巡りです。今回は、檀家さんに許可をもら
い入らせていただきました。中は、天井が低く崩れている場所もあり懐中電灯を持っ
ていないと入れませんが、めったにない場所です。あとから、聞きましたが大きな
ガマ蛙がいたそうです。

あとは、出発地点に戻ります。
途中には、吹代堰や地蔵尊があります。
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出発地点の賀茂神社へ。無事に帰ってきたので、お礼をしに・・・
本当は、最初に行って方がよかったのですが、雨が強まりそうだったので、先に山へ
向かってしまいました。

賀茂神社。
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祭神は賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)。和銅5年(712)創建といいます。
雨乞い祈願の霊験があり、村人乱舞して感謝したと伝えられています。本殿は、現存
する銘札から天正2年(1574)の造営とみられ、蟇股や斗供、妻飾り・軒まわりなどの
構成の室町時代末期の特色をよく残しています。本殿は、千葉県の有形文化財です。
8月1・2日の八朔祭りには、県無形民俗文化財に指定されている「加茂の三番叟」
と「加茂の花踊り」が奉納されます。

拝殿の横には、神紋の二葉葵があります。
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この時期は、二葉葵の花を見る事ができます。少し地味な花です。
二葉葵は、徳川家のいわゆる『葵の御紋』のモデルになったことでも知られて
います。ミツバアオイと言う植物は存在しないのです。

最後に賀茂神社の車止めは、かわいいです。
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とい事で、今回の「加茂坂から沓見の郷へ」は無事終了しました。
今年度もはじまりました。まだまだ面白いコースがありますので、是非、
ご参加下さい。