シリーズツアー(花)「江月の水仙の郷探訪」報告

明けましておめでとうございます。いつもガイドの独り言を読んでいただきありがとうござい
ます。本年も、頑張ってご報告いたしますので、よろしくお願いします。

さて、昨年末に開催いたしました、シリーズツアー(花)「江月の水仙の郷探訪」の報告です。
今シーズンは暖かい日が多く、水仙の花も早く咲くはじめました。ウォーキングするにも、良い
気候です。
スタートは、鋸南町の道の駅。隣接する場所に、菱川師宣記念館もあります。
菱川師宣は、江戸初期に活動した浮世絵師です。「見返り美人図」の作者であり、浮世絵の祖と
も呼ばれています。なぜ?ここに記念館があるかといいますと、菱川師宣は、安房国保田(千葉
県鋸南町保田)で縫箔刺繍業を営む父菱川吉左衛門と母オタマの間に、7人兄弟の第4子長男と
して誕生しました。とういう事で、鋸南町に記念館があるのです。

前置きは長くなりましたが、道の駅をスターとし、水仙ロードを歩きますが、また旅倶楽部は、
普通に水仙ロードに行くわけではありません。ガイドツアーですので、途中・途中の神社仏閣
や石仏・植物などの話をしながら、ウォーキングしていきます。
まずは、吉浜神社です。
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ここは、吉浜地区の鎮守です。祭神は天照大御神です。
同じ吉浜地区にある中谷山妙本寺の守護神として北に天照大御神と、南に仏教を守る第六天欲界の
王「他外自在天」を祀ったといわれています。保田の合同祭礼には大杉山車を出祭します。

小道を通り、次に向かったのは古峰神社・秋葉社です。
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どちらも火伏せの神様です。古峯神社の祭神は大和武尊です。草薙の剣で火難を逃れた焼津の故事
から火難除けの御神徳ありと祀られています。秋葉社の祭神は火之迦具土大神(ひのかぐつちおお
かみ)です。

水仙ロード入口付近に石仏があります。
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水仙にこまれ、これからのウォーキングの安全を見守ってくれるかと思います。

ここ江月の水仙のお話しを少しします。
保田地区の水仙は、江戸時代から有名で、船で江戸に出荷され、江戸の正月を飾る花として、江戸の
町屋や武家屋敷に呼び売りされ、とても人気がありました。その昔、近くのお寺の和尚さんが中国か
ら持って帰り、植えて広まったのが保田の水仙のはじまりと伝えられています。和水仙は別名「雪中
花」とも呼ばれています。スイセンの学名は「Narcissus(ナルシサス)」。ギリシャ神話に登場す
る美少年ナルキッソスに由来します。「水仙」という漢名は、中国の古典の「仙人は、天にあるを天
仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙という」に由来し、水辺で咲く姿を仙人にたとえたものと考え
られます。花言葉は、色別・種類別でもありますが、全般では、「うぬぼれ」「自己愛」です。
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水仙ロードを入っていきますと、源頼朝の伝説にも遭遇します。
まずは、馬の住です。頼朝が長狭に向かう途中、江月の山間で一頭の馬を献上されました。この馬が
のちに、佐々木高綱と梶原景李の宇治川の先陣争いで活躍する名馬「池月」と言われています。江月
の地名は「池月」が訛ったと言われ、馬が居た場所が「馬の住(まのすみ)」という字名が残ってい
ます。名馬「池月」の話は、日本各地に点在しています。

そこから少し上に行ったところに、武台があります。頼朝が名馬を貰ったお礼に「武士舞」を踊った
場所です。名馬を献上した方にその徳を讃え「馬賀(まが)」の姓を与えたそうです。

ここまでが、水仙ロードの中間地点あたりだと思います。さらに上へ登って行き、水仙畑を通り鶴ケ峰
八幡神社へ向かいます。江月の最奥にある鎮守です。
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祭神は大山祗命(おおやまづみのみこと)。創立不詳。神社下の馬賀家は屋号を「禰宜どん」と言い、
神主を務めていたようです。社殿建築は安房国の総社、鶴ケ谷八幡宮造営の初代棟梁を務めた名工・
中沢久五郎正友です。一流の宮大工として仕事をし、彫刻も宮彫師を超える腕前であったと言います。

神社にお参りしたあとは、昼食休憩し下山していきます。途中にいぼ神様がおります。
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昔、江月村にいぼが流行した時に、このいぼ神様にお供えした線香の灰を「いぼ」に塗ると「いぼ」が
消えたという言い伝えがあります。

次に向かうは地蔵堂です。
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延命山地蔵院。本尊は三躰地蔵尊。創始不詳ですが、文化13年(1816)に被災、慶長2年(1597)の検地
帳に定楽(人名)が記されており、現在は部落の字名として残っています。この時代にはお堂があったと
思われます。

地蔵堂の前の場所からは、天気が良い日には富士山を見る事ができます。今回の写真は、以前行った時の
写真です。
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帰りにもう1つ頼朝伝説をご紹介します。
馬つなぎ石です。献上された名馬「池月」がつながれていた石です。
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大きさが分かりづらいので、本日はガイドさんに登場してもらいました。
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大きさわかりましたでしょうか?

さらに来た道を下っり、出発地点へ戻ります。水仙まつりが開催して、すぐに行ったので、観光客の方は
少なかったようですが、2月7日までやっておりますので、1月の土日などは混んでくるのではないかな?
と思います。ルールを守ってお花を楽しんで下さい。

こんな感じで、本年もがんばりますので、よろしくお願いします。