館山妙音院の火祭り

5月25日(日)2週連続の火渡りに参加してきました。
今回は、館山市にある妙音院です。また旅としては、昨年・一昨年とウォーキングツアー
でお邪魔しているのですが、今年は安房八十八ヶ所霊場の案内をする為にお邪魔しました。

妙音院は、高野山金剛寺直末の古義真言宗のお寺で、通称「安房高野山妙音院」と呼ばれて
います。鎌倉期に源頼朝公第三男、鎌倉法院・貞暁が紀州高野山一心院谷に開基され、天正
17年(1589)里見義康公の発願により、高野山別院・里見家の祈願寺として安房国へ開山さ
れ、里見氏より161石の寺領が与えられ、江戸時代になっても徳川家から寺領75領が与
えられ徳川家の祈願寺として保護されたお寺です。
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今年の火渡りは、妙音院開山400年の歴史で初めて、不滅の聖燈の聖火にて柴燈護摩を厳修
し、火渡り行を行いました。
平成27年4月に高野山開創1200年の記念大法会が行われます。この大法会に向けて、今
年の4月6日、北海道を出発し、高野山結縁行脚隊が一年をかけて全国各所を巡っています。
行脚隊は、「祈念三鈷」と「撫で三鈷」「不滅の聖燈」を奉載しています。
その「不滅の聖燈」と「撫で三鈷」が、千葉県で唯一、館山の妙音院に来たのです。
「不滅の聖燈」は高野山奥之院に1000年近くもの間、輝き続ける不滅の聖燈です。この聖燈
は、高野山に入定されているお大師さまの永遠の「いのち」そのもだそうです。
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いよいよ柴燈護摩と火渡りが始まります。その前に本堂をバックに、行者の皆さんの記念撮影。
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柴燈護摩・火渡り荒行は、古くから伝わる秘法です。
境内にある熊野大権現へ、護摩修行の無事を祈ってお祓いを行います。

張られた結界の入口でで、注連縄を解きます。
(儀式が終わるまで行者以外は立ち入ることが許されません)
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今年は、作法の前に、高野山から行脚された方を迎え入れる「問答」が行われました。
この問答は、修験者がこれによって、相手が同じ流派の者なのか見定めます。
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問答を聞いていて、すごく感動しました。

その後、宝斧作法:護摩壇にむかって正面から斧を振りおろし、護摩の薪が清められます
    宝弓作法:道場の四方上空に向けて矢が放たれ、五大神龍王の降臨を願い諸魔結界されます
    宝剣作法:護摩壇に向かって縦横に刀が斬られ、微かにのこる邪悪の一切が除祓されます
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宝弓作法で放たれた弓は、取った方は持ち帰る事ができます。私は、今年も取れなかったです。

妙音院のご住職により、不動明王の降臨を乞い、柴燈護摩の無魔成満を願う文が読まれます。
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「不滅の聖燈」の火が護摩壇に点火されます。
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点火され、白煙が天に昇ります
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勢いよく立ち昇る炎の中に勧請した不動明王に諸願の成就を祈ります。
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ちょっとここで、うんちくを・・・
火渡りは、正式には火生三昧耶法(かしょうさんまやほう)といいます。火生三昧は心を静めて
一つの事に集中し、身体から智慧の火を生じるような状態をいいます。密教では、お不動様と一体
となった状態をいいます。智慧の火によって煩悩を約尽くすことを象徴します。
火渡りは、火の上を歩くことによって、大智の火焔で煩悩を焼き尽くし、公には国家安穏、五穀豊
穣などの祈願。個人的には、自分自身の修行や、厄払い、無病息災を祈願します。

いよいよ火渡りが行われます。まずは、ご住職が渡られます。
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その後、修験者の方が渡られ、一般の信者等が渡ります。

館山市長が一般の人の1番に渡られました。昨年も1番に渡られて、「熱かった」と言ってま
したが、今年はどうだったのでしょうか?
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この柴燈護摩(火渡り)は、安房地域の他のお寺で行われています。
私の知る限りでは、2月の能蔵院(南房総市・千倉)、5月の大山不動(鴨川市)妙音院(館山市)
です。他にも行ってるかもしれませんが・・・
因みに私は日蓮宗ですが、開祖の教えや御経が違いますが、最終的には同じ仏様なので、宗派関係なく
参加しています。
是非、みなさんも火渡りに参加してみて下さい。

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