お散歩ツアー「古地図を持って寺町散策」報告

大型連休前に行いました、お散歩ツアー「古地図を持って寺町散策」の報告です。
更新したと思っていましたが、更新されていなく・・・だいぶ日にちが経ってしまい
ました(汗)

集合・出発は城山公園芝生広場。
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準備体操をして出発します。

まずは、城山の下にある館山神社へ。
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関東大震災で倒壊した館山町内の神社を合祀して、昭和5年(1930)に新しく建てられた神社
です。合祀されたのは、新井と下町の諏訪神社と、中町と上町の諏訪神社、上須賀にあった
稲荷神社と八坂神社、楠見の厳島神社、城山南麓の御屋敷にあった稲荷神社です。
こちらの狛犬は、石工・俵光石の作で大正6年(1917)の銘があります。
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館山神社を後にして、昔の浜通りを通って三福寺に向かいます。
向かう途中の辻には、お地蔵さんがあります。
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浄土宗のお寺で、観立山九品院三福寺(かんりゅうさんくほんいんさんぷく)といい、
本尊は阿弥陀如来です。文明3年(1471)、里見氏の家臣・岩崎与次衛門の帰依に基づき、
相蓮社順譽上人(そうれんしゃじゅんよしょうにん)を開山に浄土宗念佛道場として創建
されました。元禄16年(1703)の大津波の後、新井浜から現在地に移転したといわれて
います。境内には、館山ゆかりの偉人の碑や墓があり、その中に、幕末の房州の儒学者、
新井文山夫婦の墓碑があります。
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文山は、館山新井に生まれ、幼少時より三福寺住職や地元の鈴木直郷に学問の指導を受け
ました。14歳の時、住職の援助で江戸に遊学し、昌平坂学問所に入門し、儒学を学び、
28歳で帰郷して塾を開き地域の教育に力を注ぎました。天保7年(1836)、館山藩主稲葉公
に仕え、天保13年(1842)に目付兼郡奉行となり、藩士や領民の教育に尽力し、嘉永4年
(1851)73歳で亡くなりました。

境内に是非、見ていただきたいのが石造釈迦如来三尊坐像です。
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こちらは、館山神社の狛犬と同様、石工・俵光石によるものです。礎石を含めた高さは、
3.85m。伊豆の小松石を使い、螺髪(らほつ)や口髭を付けふっくらとしたお顔で、
脇侍(わきじ)を従えています。舟形の光背には菩提樹の葉を模った光輪、その両脇には
インド風な仏塔があります。釈迦像の下には獅子と上向きに手を合わせた人物が彫られて
います。ちょっと他とは違う石仏です。

次に向かうは、神明神社。
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新宿地区の鎮守で、祭神は天照大御神です。
祭礼の時には、「神明丸」とよばれる御舟が引き回されます。
かつて汐入川に海が大きく湾入していた頃、八幡神社に出祭する「安房神社」「洲宮神社」
「下立松原神社」の御三神を、この船で渡したと言われています。

次は、神明神社の脇に海蔵寺へ。
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こちらには、幸福地蔵があります。

さて、次に向かった熊野神社。
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長須賀地区の鎮守で、イザノアミノミコト・コトサカノミコト・ハヤタマノオミコトです。
創建は不明ですが、家内安全、五穀豊穣、商売繁盛・学業成就の神様として崇められています。

こちらの狛犬は、なんと!!砲弾を持っている狛犬なのです。
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かなり珍しい狛犬です。やはり、軍隊があった地域だからでしょうか?

さて、次は来福寺です。
真言宗智山派のお寺で、寺号は海富山医王院来福寺といい、本尊は薬師如来です。
室町時代の木造薬師如来立像が祀られています。神亀2年(725)創立とされ、元聖法印の開基。

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薬師堂左側に初代後藤義光の門人や友人が「米寿」を祝って建てた「後藤義光翁寿蔵碑」が
あります。功績をたたえた文は、元長尾藩教授の恩田城山、石碑上部の篆額は万里小路通房が
「後藤義光之碑」と篆書しています。

来福寺をあとにし、城下町のころの痕跡の残る菱沼や堀の後などを見ながら進み、長福寺へ。
真言宗智山派のお寺で、寺号は普門山長福寺といい、本尊は千手観世音です。もとは、北下
台(ぼっけだい)にあり、神亀2年(725)、行基菩薩が自ら刻んだ千手観音菩薩を安置した
のが始まりと言われています。いく度かの震災に耐えましたが、大正の地震で倒壊し、昭和
39年に観音像を現在地の長福寺に移したとの事です。観音堂があった場所には、「館山
観音堂旧址」の碑が残されています。

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境内の永代供養墓の中には、「寄子萬霊塔」があります。これは明治維新の戊辰戦争の際、
箱根山崎の戦いに加わり異郷の地で亡くなった農兵の慰霊碑です。塔の裏には、「鐘の音
の落葉さみしき夕べかな」の句が詠まれています。

今回の見学場所は、ここまでです。城下には「福」の付いたお寺を3つお参りしてきました。
「来る福」「長い福」「三つの福」ということで、寺町散策は終了です。

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