御筒粥神事

今日は、館山市の無形民俗文化財に指定されている神事をご紹介します。
場所は、館山市の豊房地区にある山荻神社。
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山荻神社では、毎年歳宮大明神御筒粥の儀が神事として行われています。
神事が何時の時代から始まったかは不明ですが、景行天王(123年頃)が諸州
を御巡幸の砌り、五穀豊穣を祈り給われた由社傅に山荻神社名が記載されている
ので、おそらく千数百年に遡るのと推考されます。

神事の内容は、旧1月14日に粥を作り、その中に長さ10㎝位・指の太さほどの
葦筒を用い、葦筒は両端を斜めに切って、これに18種類の作物の番号と、終わり
の1本に世の中という項目を入れ、これを粥の中に炊き込むのです。
粥が出来ると籾・米・神酒・餅・魚・野菜・リンゴ・塩・水と共に、御宝前(枡)
に入れて神前に供えます。祈祷が終わると、氏子総代4人立会の上、筒粥の儀が
行われます。
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神官の手で切り開かれた葦筒の中の粥の入り具合によって、その年の作物の豊凶を
占うというものです。
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今年の結果は・・・
早稲 9ト 中稲 7ト 晩稲 8ト もめん 7ト あさ 8ト 大豆 9ト
小豆 7ト 大角豆 9ト ひゑ 7ト きび 6ト ご満 6ト なすび 6ト
いも 8ト 大こん 8ト な(なたね) 7ト ゑ(えごま油) 9ト
たばこ 8ト 麦 7ト 世の中 8ト
9ト~6トの間で占います。
この作物は、この地方で昔から作られていた作物です。
(残念な事に、今作られていない作物も入っています)
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余談ですが、東日本大震災の年は、世の中の筒がまったく粥が入らなかったそうです。

このような神事は、館山市内・南房総市内に残っています。是非、足を運んでみては
いかがでしょうか?
また旅倶楽部では、イベントコースとして、「妙音院の火祭り」「白浜塩浦浅間神社
奇祭」「増間日枝神社御的神事」を企画しています。是非、合わせてご参加下さい。
詳しい日程は、後日お知らせします。

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